Ryuta 校長の挨拶

【はじめに】

カンボジアの至る所にいる物乞いやゴミ拾い、物売りをしてその日暮らしをする
子供達をみて「せめてお菓子でも持って行ってやろうか」と思ったのをきっかけ
に炊き出しや、洪水被害やコロナ禍でのボランティア活動に取り組み始めました。

その中で子供達の未来につながる活動に力を入れたいと思い、ボートで暮らす子
どもたちの近くの路上に、机と椅子を並べて授業を始めました。

これが校舎のない「青空学校」の始まりでした。

ブルーシートで日よけを作り、時には地面に座って絵を描くこともありました。
雨が降れば濡れ、風が吹けばすべてが飛んでいく、それでも、鉛筆と紙を手にし
た子どもたちは、目を輝かせて学びに向かっていました。
その姿に心を動かされた方が支援を申し出てくださり、今の立派な校舎ができた
という経緯ですが、
私たちの原点は、「青空学校」にあります。

路上に一時的に現れるその簡易で質素な教室は、カンボジアらしい “屋台”のよう
だなと思い、「屋台学校」と呼ぶようになりました。

【屋台学校とは?】

屋台学校は、「整っていない」からこそ出会える、本当の学びがあります。

子どもたちは基礎的な勉強だけでなく、泣いたり、笑ったり、喧嘩したり、走り
回ったりしながら、「話すこと」「分け合うこと」「生き抜くこと」を体で学ん
でいます。

初めて訪れる日本の方は、最初こそ戸惑うかもしれません。
マナーがない、整っていない、騒がしい——
でもそれが、この場所で暮らす子どもたちの「ありのままの姿」なのです。
私たちは「教育=日本式に整えること」だと考えていません。

子どもたちの文化や暮らしに根ざした“リアル”こそが、何よりも大切だと信じて
います。それが、この学校のあり方だと考えています。

【ミッション|使命】

「制度の外にいる子どもたちに、学校という“居場所”を用意し続ける」

カンボジアスラムに生きる子どもたちに
“触れ合いと体験”を通じて、人生をつかむきっかけを届けること。
彼らが彼らのまま尊厳をもって生きていけるように、
人生の選択肢を少しでも広げられるようにすることが私たちの役割です。

【ビジョン|展望】

誰からも見えなかった子どもたちに、社会との“接点”を。

親の仕事を継ぐしかなかった未来に、“新しい物語”を。
私たちは「彼らへの共感」を通じて、子どもたちに、“知る・感じる・選ぶ”
という生きる力を育てたいと考えています。

そしてその過程で、支援者様にも「教育とはなにか」を共に感じてもらう、
双方向の気づきが生まれる“学びの交差点”を目指します。